はじめに

日本天文学会 2014年秋季年会(2014/9/11(木)-13(土); @山形大)において、 企画セッション「電波及び光赤外線での大学間連携」 が開かれました。

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企画セッション開催趣旨

- 2014/5/23 tennnet ML への案内文より

 電波望遠鏡を持つ大学や研究機関、国立天文台が参加して、 VLBI観測を推進するための大学間連携による研究は、 2005年度に始まり既に10年近くが経過しています。 また光赤外線望遠鏡を運用している大学や国立天文台で進める大学間連携も、 2011年のスタートから3年が経過しています。 かつてないこれらの取り組みの成果を振り返り、 今後の活動の指針を議論する場として、 この企画セッションを企画しました。 大学における天文学の研究と教育の発展のために、 多くの方のご参加と活発な議論がなされることを期待しています。

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開催報告

 本企画セッション「電波及び光赤外線での大学間連携」は、 2005年度に始まったVLBI天文学、 2011年度に始まった光・赤外線天文学の大学間連携観測事業に関連する研究成果の発表および意見交換の場とすることを目的として企画された。 依頼した6件の基調講演に加え、 tennet等で募ったところ、 合計46件の講演の申し込みがあった。 セッションは年会2日目の午前から3日目の昼まで1日半にわたってD会場にて開催され、 70名を超える参加者により、活発な議論が交わされた。

 講演は、 大学間連携の背景と取組、観測システム開発・研究体制の構築、 そして研究成果にわたる多彩なものであった。 光・赤外線分野では東大と京大の大型望遠鏡建設計画に関する発表、また比較的小型の望遠鏡が連携することで強みを発揮できる研究計画や成果について 発表があった。電波(VLBI)分野では、 各大学・各機関の電波望遠鏡の連携によるVLBI観測網の構築、 それに関連する各大学の様々な研究発表があった。 科学研究面ではAGN、超新星、ガンマ線バースト、パルサー、 矮新星、古典新星、小惑星、星形成領域、 変光星など実に幅広い成果が報告され、 連携観測が新しい研究の流れを作りつつあることが感じられた。 また、大学間の連携という性格を活かして、学生の指導、若手の交流、 観測システム開発の指導など、 様々な人的交流が促進されていることが報告されたのも特徴的であった。

 本企画セッションでは講演内容の配置などに工夫し、光・赤外線の連携と、 電波の連携が相互の理解を深めることも一つの目的としていた。 光・赤外線と電波がともに研究対象とするAGNでは、 研究の発展のために光・赤外線+電波の同時観測などの連携観測も議論された。 今後の大学間連携の研究の活性化にとって、 本企画セッションは大変有意義であったと考えている。

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開催日程

日時講演番号座長場所参加人数
2014年9月12日(金)午前 (9:30-11:30)B01r-B15c野上(京都大)D会場 約70名
2014年9月12日(金)午後 (13:30-15:30)B16b-B30c藤沢(山口大)D会場 約45名
2014年9月13日(土)午前 (09:30-11:30)B31a-B46a泉浦(国立天文台) D会場 約45名

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プログラム・講演資料

番号タイトル・講演資料(pdf)講演時間
(分)
講演者 予稿
(天文学会年会webページ内)
B01r 大学VLBI連携事業、光赤外線大学連携事業の狙い [Oral] 15面高俊宏(鹿児島大学)PDF
B02r 大学間連携による光・赤外線天文学研究教育拠点のネットワーク構築 [Oral] 15関口和寛(国立天文台)PDF
B03a 東京大学アタカマ天文台(TAO)6.5m望遠鏡計画 [Oral] 12吉井 譲(東京大学)PDF
B04a 大学間連携で推し進めてきた京大岡山3.8m望遠鏡計画の技術開発 [Oral] 12長田哲也(京都大学)PDF
B05r 大学VLBI連携の活動報告 [Oral] 15藤沢健太(山口大学)PDF
B06a 北海道大学苫小牧11m電波望遠鏡プロジェクトと大学VLBI連携事業 [Oral] 12徂徠和夫(北海道大学)PDF
B07a つくば32m電波望遠鏡を用いた筑波大学による運用と観測成果 [Oral] 12金子紘之(筑波大学)PDF
B08a 岐阜大学のVLBI活動 [Oral] 12高羽 浩(岐阜大学)PDF
B09b 茨城観測局 高萩 / 日立 32 m 電波望遠鏡の立ち上げ [Oral] [Poster] 3米倉覚則(茨城大学)PDF
B10b 西はりま天文台「なゆた望遠鏡」の運用 [Oral] [Poster] 3伊藤洋一(兵庫県立大学)PDF
B11b 光赤外線大学間連携観測の円滑な遂行に向けた環境整備 [Oral] [Poster] 3秋田谷洋(広島大学)PDF
B12b 光赤外線大学間連携による観測教育ネットワークOISTER [Oral] [Poster] 3黒田大介(国立天文台)PDF
B13b 光・赤外線天文学大学間連携による短期滞在実習プログラムの実施II [Oral] [Poster] 3大朝由美子(埼玉大学)PDF
B14b 可視・近赤外撮像データに対する測光パイプラインの開発 [Oral] [Poster] 3斉藤嘉彦(東京工業大学)PDF
B15c 光赤外線大学間連携共同大型実験棟 -永山貴宏(鹿児島大学)PDF
B16b 京大岡山3.8m望遠鏡における波面測定技術の開発 [Oral] [Poster] 3木野 勝(京都大学)PDF
B17b 京大3.8m望遠鏡における惑星探査計画 (SEICA):概念設計と性能評価 [Oral] [Poster] 3松尾太郎(京都大学)PDF
B18b 光赤外線大学間連携事業による IRSF1.4m望遠鏡用可視・近赤外線同時分光器の開発 [Oral] [Poster] 3國生拓摩(名古屋大学)PDF
B19b チベット西部域における光赤外線天体観測環境調査 (VIII) [Oral] [Poster] 3佐々木敏由紀(国立天文台)PDF
B20a 大学連携VLBIおよび東アジアVLBI網におけるC-X帯、K帯フロントエンドの開発 [Oral] 12木村公洋(大阪府立大学)PDF
B21a 東アジアVLBI観測網構築に向けた試験観測の状況 [Oral] 12萩原喜昭(国立天文台)PDF
B22a JVNサブアレイOCTAVEの進捗と今後のJVN観測モード拡張 [Oral] 12小山友明(国立天文台)PDF
B23r 光赤外大学間連携とかなた望遠鏡による Narrow Line Seyfert 1 Galaxy 1H 0323+342の可視観測 [Oral] 15田中康之(広島大学)PDF
B24r 光赤外線大学間連携における超新星爆発のToO観測状況報告II [Oral] 15山中雅之(甲南大学)PDF
B25a 光赤外線大学間連携での矮新星の観測の狙い [Oral] 12野上大作(京都大学)PDF
B26a 光赤外線大学間連携OISTER チームによる Nova Delphini 2013 = V339 Del のToO観測 [Oral] 12関口和寛(国立天文台)PDF
B27b 光赤外線大学間連携におけるIc型超新星SN 2013geの初期観測報告 [Oral] [Poster] 3山中雅之(甲南大学)PDF
B28b 光赤外線大学間連携を通じた矮新星観測とその成果 [Oral] [Poster] 3大島誠人(京都大学)PDF
B29b 若い小惑星族の高速自転小惑星候補の観測 [Oral] [Poster] 3吉田二美(国立天文台)PDF
B30c 短周期彗星209P/LINEARの光赤外線天文学大学間連携による観測 [Poster] -石黒正晃(ソウル大学)PDF
B31a Trigonometric distance to IRAS 20056+3350: Massive star forming region on the Solar circle [Oral] 12Ross Alexander Burns(Kagoshima University)PDF
B32a EAVNによる 6.7 GHzメタノール・メーザーの固有運動計測プロジェクト [Oral] 12杉山孝一郎(山口大学)PDF
B33a 茨城 32-m 鏡による 6.7 GHz メタノールメーザー源の単一鏡強度モニター [Oral] 12米倉覚則(茨城大学)PDF
B34b EAVNによる6.7GHzメタノール・メーザーのVLBIサーベイ VIII [Oral] [Poster] 3松本尚子(国立天文台)PDF
B35b 大質量原始星ジェットに付随する青方偏移卓越メーザー観測プロジェクト [Oral] [Poster] 3元木業人(山口大学)PDF
B36b 大学VLBI連携を用いた近傍銀河AGNのアンモニア吸収線観測計画 [Oral] [Poster] 3宮本祐介(茨城大学)PDF
B37b 高感度VLBI観測による未同定ガンマ線源に付随する高輝度電波源サーベイ [Oral] [Poster] 3新沼浩太郎(山口大学)PDF
B38b 多地点連携によるカニパルサー電波高時間分解能観測 [Oral] [Poster] 3三上 諒(東京大学)PDF
B39c EAVNによる6.7 GHz メタノール・メーザーのVLBIサーベイ IX: ペア形状天体の内部固有運動 [Poster] -蜂須賀一也(山口大学)PDF
B40c 国土地理院つくば32m電波望遠鏡によるアンモニア分子反転遷移輝線の銀河系中心領域広域サーベイ観測III [Poster] -荒井 均(国立天文台)PDF
B41c Sgr A* at 22 GHz around the G2 peri-center passing with Japanese VLBI Network [Poster] -朝木義晴(宇宙航空研究開発機構)PDF
B42r 大学間連携によるAGNジェットの多波長観測 [Oral] 15伊藤亮介(広島大学)PDF
B43a 可視変動により見つかったradio-loud narrow line Seyfert 1の多波長観測 [Oral] 12諸隈智貴(東京大学)PDF
B44a 鹿児島大学におけるVLBIおよび光赤外線大学間連携事業による変光星の観測的研 究 [Oral] 12中川亜紀治(鹿児島大学)PDF
B45a 大学間連携望遠鏡によるガンマ線バーストの観測 [Oral] 12河合誠之(東京工業大学)PDF
B46a OISTER・すざくによる 2FGL J2339.6-0532の観測 [Oral] 12谷津陽一(東京工業大学)PDF

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セッションのようす


講演(面高)

会場風景

講演(藤沢)

講演(田中)

講演(山中)

講演(河合)

講演(中川)

ポスター会場

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世話人・連絡先

企画セッション「電波及び光赤外線での大学間連携」世話人
藤沢 健太 (山口大学)、関口 和寛(国立天文台)、野上 大作(京都大学)、黒田 大介(国立天文台)
E-mail : asj14-daigakukanrenkei[at_mark] kwasan.kyoto-u.ac.jp

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光赤外線天文学大学間連携事業(OISTER)ホームページ


連絡先:
asj14-daigakukanrenkei[at_mark] kwasan.kyoto-u.ac.jp
(企画セッション世話人代表)