第16回光赤外線天文学大学間連携(OISTER)ワークショップ

2025年11月6日更新

◯ 開催日・開催地・開催形式

2025年10月21日(火)13:00(12:00 入室開始) 〜23日(木)15:25 終了予定
鹿児島大学 郡元キャンパス 学習交流プラザ2階 学習交流ホール、およびオンライン開催
※ オンラインはベストエフォートで対応

◯ 学生発表賞

審査の結果、以下の方々が学生発表賞として選定されました。

口頭発表賞
笹岡大雅 (東京大学) 「近傍Iax型超新星SN 2025qeの早期の時系列観測」

ポスター発表賞
中本 幸成 (鹿児島大学) 「超新星型判定を目的とした鹿児島大学1m望遠鏡用可視光分光器の開発」

◯ 開催趣旨・テーマ

光・赤外線天文学大学間連携(OISTER)は、国立天文台と自前の光・赤外線望遠鏡を持つ国内の9大学(北大、埼玉大、東大、科学大、名大、京大、兵庫県立大、広島大、鹿児島大)が連携して研究と教育を行なう事業です。各大学が持つ中小口径望遠鏡を用いた連携観測により、重力波やニュートリノ事象の電磁波対応天体を始めとする突発天体のような短時間の天体現象に対する時間軸方向の詳細な観測を実施し、可視光と近赤外、撮像や分光、偏光といった多波長・多モードの同時観測に基づく研究を遂行しています。

今回のワークショップでは、「時間領域天文学の新展開」をテーマにし、
(1)広視野サーベイ時代の突発天体観測
(2)マルチメッセンジャー天文学の新展開
(3)時間領域天文学の開拓
をサブテーマとします。

(1)では、Tomo-e Gozenなどによる新天体のサイエンス、また、中小口径望遠鏡群による即時フォローアップ観測の実現に向けた観測体制について議論します。(2)では、重力波やニュートリノ天体のサイエンス、また、マルチメッセンジャー天文学の推進に向けた観測戦略について検討します。(3)では、OISTERがこれまで展開してきた恒星フレアをはじめとする多様な天体現象の研究成果を概観し、新たなサイエンスの開拓を議論します。

各観測所のステータスやOISTERの各事業の成果報告、OISTER連携観測による研究成果の報告、OISTERの将来構想の検討も予定しています。連携外や他波長の方々も含め、上記のテーマ、関連する研究、新たな研究のアイディアなどの講演も歓迎いたします。博士課程や修士課程の学生の方の交流を深めることを目的に、博論・修論の発表や、現在進めている研究についての発表も推奨します。大学院生・学部生の皆さんの研究発表に対して学生発表賞を授与する予定です。

◯ 招待講演・特別講演

敬称略、五十音順
内田裕之(京都大学)ニュートリノをトリガーとするX線による超新星「待ち受け観測」の実現
小汐由介(岡山大学)スーパーカミオカンデ超新星ニュートリノ観測による爆発天体の早期特定
笹岡大雅(東京大学)広視野・高速撮像装置Tomo-e Gozenが発見するトランジェントと中小口径望遠鏡による追観測
高橋幸弘(北海道大学)惑星大気における雷現象
田中雅臣(東北大学)重力波天体の観測
敏蔭星治(東北大学)IceCubeニュートリノ可視光突発天体の探査
冨永望(国立天文台)LSST時代の突発天体観測
永山貴宏(鹿児島大学)銀河系内の極めて明るい超新星の赤外線観測 
成田憲保(東京大学)MuSCATシリーズとLCO1m望遠鏡によるトランジット惑星系の観測
新納悠(東京大学)木曽105 cmシュミット望遠鏡Tomo-e Gozenによるマルチメッセンジャー突発天体観測

◯ プログラム

# O、Pから始まる識別符号が、学生賞対象の口頭講演、ポスター

1日目 10月21日 (火)

12:00 入室開始 (受付12:30開始予定)

【OISTER運用報告】
座長:楠根
13:00 (15) 泉浦秀行(国立天文台)OISTER FY2025運営報告
13:15 (15) 村田勝寛(京都大学)観測企画運営委員会の活動報告
13:30 (10) 久保田尚之(北海道大学)北海道大学2025年度活動報告
13:40 (10) 瀧田 怜(東京大学)東京大学・木曽観測所の活動報告 (オンライン)
13:50 (10) 高橋一郎(東京科学大学)東京科学大学の2025年度活動報告
14:00 (15) 休憩

座長:金井
14:15 (10) 楠根貴成(名古屋大学)名古屋大学2025年度活動報告
14:25 (10) 野上大作(京都大学)京都大学の2025年度活動報告
14:35 (10) 伊藤洋一(兵庫県立大学)西はりま天文台「なゆた望遠鏡」の運用
14:45 (10) 永山貴宏(鹿児島大学)鹿児島大学報告
14:55 (10) 中岡竜也(広島大学)広島大学の活動報告2025
15:05 (10) 大朝由美子(埼玉大学)埼玉大学SaCRA望遠鏡及びぐんま天文台150cm望遠鏡と観測装置を用いた研究教育報告 (オンライン)
15:15 (15) 休憩

【開発】
座長:高橋隼(教育セッションまで)
15:30 (15) 金井昂大(埼玉大学)SaCRA望遠鏡用MuSaSHI2の開発とぐんま天文台150cm望遠鏡GLOWSの更新

【教育】
15:45 (10) 大朝由美子、高橋 隼(埼玉大学、兵庫県立大学)短期滞在実習 (オンライン)
15:55 (03) 小柳香(埼玉大学)京都大学岡山天文台のせいめい望遠鏡/KOOLS-IFUを用いた可視面分光観測の実習報告 Q01 トーク ポスター 
15:58 (10) 高山颯太(埼玉大学)西はりま天文台なゆた望遠鏡/MALLSを用いた可視分光観測の実習報告 (オンライン)
16:08 (10) 中岡竜也(広島大学)データサイエンス講習会、かなた蒸着、データ解析講習会
16:18 (12) 休憩

【大規模サーベイ時代の突発天体観測】
座長:中岡
16:30 (30) 冨永望(国立天文台)LSST時代の突発天体観測 (招待講演)
17:00 (15) 反保雄介(South African Astronomical Observatory)Rubin Observatory LSSTによる激変星の発見と追観測
17:15 (30) 笹岡大雅(東京大学)広視野・高速撮像装置Tomo-e Gozenが発見するトランジェントと中小口径望遠鏡による追観測 (招待講演)
17:45 (15) 休憩

18:00 (30) 議論:大規模サーベイ時代の中小口径望遠鏡群の観測戦略
進行 野上 & 高橋一郎 / 議事録 小路口


2日目 10月22日 (水)

8:45 入室開始

【学生セッション】
座長:中岡
9:00 (15) 笹岡大雅(東京大学)近傍Iax型超新星SN 2025qeの早期の時系列観測 O01
9:15 (15) 後藤颯太(鹿児島大学)可視光近赤外線を用いたIIn型超新星の研究 O02
9:30 (15) 難波莉子(鹿児島大学)非常に明るい特異なIIP型超新星SN 2023gfoの観測的研究 O03
9:45 (15) 休憩

座長:永山
10:00 (15) 萩尾陽菜(東京科学大学)MITSuME明野望遠鏡の新CMOSカメラ導入における進捗状況 O04
10:15 (15) 久保 元由樹(東京科学大)紫外線宇宙望遠鏡うみつばめの画像解析パイプライン開発 O05
10:30 (15) 中西史美(岡山大学)スーパーカミオカンデによるM31 Failed Supernova候補からのニュートリノ探索 O06
10:45 (10) 休憩

【ポスターショートトーク】
座長:久保田
10:55 (01) 中本 幸成(鹿児島大学)超新星型判定を目的とした鹿児島大学1m望遠鏡用可視光分光器の開発 P01 トーク ポスター 
10:56 (01) 岩本大雅(鹿児島大学)鹿児島大学1m望遠鏡における多画素赤外線イメージセンサー評価用カメラの開発 P02 トーク ポスター 
10:57 (01) 後藤健翔(鹿児島大学)天体観測装置評価用反射型点光源の開発 P03 トーク ポスター 
10:58 (01) 杉山祐羽(鹿児島大学)長いプラトーを持つIIP型超新星SN 2023vogの可視・近赤外線観測 P04 トーク ポスター 
10:59 (01) 加藤遼太朗/越智淳弥(東京科学大学)ハワイ・ハレアカラにおける突発天体追観測望遠鏡の設計構想 P05 トーク ポスター 
11:00 (01) 石原稜也(兵庫県立大学) ダイクロイックミラーを用いた複眼望遠鏡の開発 P06 トーク ポスター 
11:01 (01) 水本拓走(兵庫県立大学)散開星団候補天体の分光観測によるポストタウリT型星の探査 P07 トーク ポスター 
11:02 (01) 永田晴飛(兵庫県立大学)磁気活動性の高いK型星PW AndのHα線と近赤外CaⅡ三重輝線での分光観測 P08 トーク ポスター 
11:03 (01) 熊野朱里(広島大学)Ic型超新星SN2023cptの可視近赤外線観測 P09 トーク ポスター 
11:04 (01) 古塚来未(兵庫県立大学)恒星の高分散分光観測によるrプロセス元素トリウム組成の調査と銀河の化学進化 P10 トーク ポスター 
11:05 (01) 磯貝桂介(京都大学)せいめい/KOOLS-IFUアップデート計画 Q03 トーク ポスター 

11:06 (94) 昼休み(11:45-13:15 対象者は合同会議、ポスター会場奥フリースペース、昼食持ち込み可)

【ポスターコア】
12:40 (90) ポスターコア ポスターコア

【時間領域天文学の開拓1】
座長:久保田
14:10 (30) 高橋幸弘(北海道大学)惑星大気における雷現象(招待講演)
14:40 (15) 小路口直冬(京都大学)長い軌道周期をもつ AM CVn 型星のスーパーアウトバーストの観測的研究
14:55 (15) 川端美穂(京都大学)せいめい望遠鏡を使った近傍超新星の追観測について
15:10 (15) 堀内 貴史(東京大学)極高光度クェーサーWISE J0909+0002の光度曲線における周期性の崩れ
15:25 (15) 休憩

【マルチメッセンジャー天文学の新展開1】
座長:高橋一郎
15:40 (30) 田中雅臣(東北大学)重力波天体の観測 (招待講演)
16:10 (30) 敏蔭星治(東北大学)IceCubeニュートリノ可視光突発天体の探査 (招待講演)

18:00 懇親会


3日目 10月23日 (木)

8:45 入室開始

【マルチメッセンジャー天文学の新展開2】
座長:野上
9:00 (30) 小汐由介(岡山大学)スーパーカミオカンデ超新星ニュートリノ観測による爆発天体の早期特定 (招待講演)
9:30 (30) 内田裕之(京都大学)ニュートリノをトリガーとするX線による超新星「待ち受け観測」の実現 (招待講演、オンライン)
10:00 (20) 休憩

座長:村田
10:20 (20) 新納 悠(東京大学)木曽105 cmシュミット望遠鏡Tomo-e Gozenによるマルチメッセンジャー突発天体観測 (招待講演、オンライン)
10:40 (20) 永山貴宏(鹿児島大学)銀河系内の極めて明るい超新星の赤外線観測 (招待講演)
11:00 (40) 議論:マルチメッセンジャー天文学への取り組み
進行 太田 / 議事録 高橋隼

11:40 (90) 昼休み

【時間領域天文学の開拓2】
座長:小路口
13:10 (30) 成田憲保(東京大学)MuSCATシリーズとLCO1m望遠鏡によるトランジット惑星系の観測 (招待講演)
13:40 (15) 前原裕之(国立天文台)せいめい望遠鏡とTriCCS分光モードを用いたM型星YZ CMiにおけるフレアの高時間分解能分光観測

13:55 (30) 議論:中小口径望遠鏡・OISTERでの時間領域天文学への今後の取り組み、総合討論
進行 村田 / 議事録 金井

14:25 (60) 鹿児島大学永山研究室見学(希望者のみ)

◯ ポスター

ポスター、ショートトークスライドは、プログラムタイトル横のリンクから閲覧できます。

# Pから始まる識別符号が学生賞対象ポスター
P01  中本 幸成(鹿児島大学)超新星型判定を目的とした鹿児島大学1m望遠鏡用可視光分光器の開発 
P02  岩本大雅(鹿児島大学)鹿児島大学1m望遠鏡における多画素赤外線イメージセンサー評価用カメラの開発
P03  後藤健翔(鹿児島大学)天体観測装置評価用反射型点光源の開発  
P04  杉山祐羽(鹿児島大学)長いプラトーを持つIIP型超新星SN 2023vogの可視・近赤外線観測 
P05  加藤遼太朗/越智淳弥(東京科学大学)ハワイ・ハレアカラにおける突発天体追観測望遠鏡の設計構想 
P06  石原稜也(兵庫県立大学 )ダイクロイックミラーを用いた複眼望遠鏡の開発 
P07  水本拓走(兵庫県立大学)散開星団候補天体の分光観測によるポストタウリT型星の探査 
P08  永田晴飛(兵庫県立大学)磁気活動性の高いK型星PW AndのHα線と近赤外CaⅡ三重輝線での分光観測 
P09  熊野朱里(広島大学)Ic型超新星SN2023cptの可視近赤外線観測 
P10  古塚来未(兵庫県立大学)恒星の高分散分光観測によるrプロセス元素トリウム組成の調査と銀河の化学進化 
Q01  小柳香(埼玉大学)京都大学岡山天文台のせいめい望遠鏡/KOOLS-IFUを用いた可視面分光観測の実習報告 
Q03 磯貝桂介(京都大学)せいめい/KOOLS-IFUアップデート計画

◯ 世話人

村田 勝寛(京都大学)
永山 貴宏 (鹿児島大学)
高木聖子(北海道大学)
久保田 尚之(北海道大学)
大朝 由美子(埼玉大学)
金井 昂大(埼玉大学)
瀧田怜  (東京大学)
高橋一郎(東京科学大学)
楠根 貴成(名古屋大学)
野上 大作(京都大学)
高橋 隼(兵庫県立大学)
中岡 竜也(広島大学)
泉浦秀行 (国立天文台)
太田耕司(京都大学)

本研究会は、自然科学研究機構国立天文台研究交流委員会の助成を受けています。研究会で得られた成果を学術誌等で発表するときは以下の文言を謝辞に記載してください。
日本語:「本研究(の一部)は自然科学研究機構国立天文台研究交流委員会 ( NAOJ-RCC-2501-0205  )の助成を受けたものです。」
英語:(Part of) This work was supported by the NAOJ Research Coordination Committee, NINS ( NAOJ-RCC-2501-0205  )

なお、過去のワークショップのプログラムと講演スライドは、以下をご参照ください。
https://oister.kwasan.kyoto-u.ac.jp/oister-workshop/

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